船内での業務は4つの部署に分かれて行われます。どの部署も専門性が求められるため、部署間での人員の異動はあまりありません。

船内の部署がどのような職務分掌になっているのかと、その部署の業務を解説します。ここでは一般的な船内業務について紹介しており、弊社船舶での具体的な職務内容については採用面談の際にご説明させていただきます。

船内の組織と職制

これは一般的な船内の職務組織を図にしたものです。当社の船内組織もほぼこの図と同様で、船長の元、甲板部、機関部、無線部、司厨部の4つの部署に分けられています。

それぞれの部署の職務については、このページで説明しています。

なお、かっこ書きの職務については当社では基本的に配乗していません。(人員の都合で、例外的に配乗する場合もあります) また、当社では事務部については事務専任の乗組員を配乗していませんので、「事務部」ではなく「司厨部」と称しています。

船長

部署ではありませんが、下記のいずれの部署にも所属しない特別な職務として船長があります。

船長は船の最高責任者として各部署の業務を取りまとめ、また、業務の難易度によっては、ブリッジで指揮を執ります。

甲板部

船を実際に操縦するのが甲板部です。

目的地点に行くため、航行中にどこを通るかを決定し、通る経路を計画、実際に船を航行させます。また、航行中は漂流物や漁具などの航行に障害になるものが進路上にないか、他船と衝突の恐れがないかなどをブリッジで見張ります。

また、港への出入港時には岸壁と船をロープで固定したり、逆にロープを外したりといった離着岸作業や、法律で信号旗を掲げる必要がある場合に信号旗の取り扱いなどを行います。

生活面では共有部分の清掃も甲板部の担当です。

船内では最も人数の多い部署です。

甲板部には以下の役職があります。

職位役職名職務
職員一等航海士
~三等航海士
航海当直の責任者
海技免状が必要
職長甲板長船体整備の責任者
甲板部員の取りまとめ役
部員甲板部員航海士の元で甲板部の業務にあたる

甲板部の具体的な一日の例はこちら>>

機関部

船の機関(エンジン)が正常に動作するように常にメンテナンスするのが機関部です。

大型船のエンジンは自動車や小型ボートのエンジンと違って、メンテナンスフリーで動かし続けることはできず、稼働中に数時間ごとの点検整備が必要です。機関部はこのエンジンのメンテナンスを担当してます。また、エンジンだけなく船内に電気を供給する発電機、各種機器の動力となる油圧ポンプ、船内の水道に給水する水ポンプなどのメンテナンスも担当するなど、およそ船内にある機械類のメンテナンス全般が機関部の担当です。

また、船に搭載してある搭載艇(小型ボート)を利用する際には搭載艇の準備と後片付けなども担当します。

生活面では機関室など機関部管理区域の清掃も担当します。

機関部には以下の役職があります。

職位役職名職務
職員機関長
一等機関士
~三等機関士
機関当直の責任者
海技免状が必要
※三等機関士は原則配乗していません
職長操機長機関部員の取りまとめ役
※操機長は原則配乗していません
部員機関部員機関士の元で機関部の業務にあたる

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無線部

船と陸上、船と船同士の通信を担当するのが無線部です。また、気象情報の収集も無線部の担当です。

当社の船では無線部に専任の通信士を配乗しておりますが、原則、通信長一人の一人部署となります。このため、時間外であっても無線通信を行う必要がある場合には、基本的に通信長が対応します。

無線部には以下の役職があります。

職位役職名職務
職員通信長
~三等通信士
無線当直の責任者
無線従事者免許・海技免状が必要
※二等通信士以下は原則配乗していません

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司厨部

乗組員への給食を担当するのが司厨部です。会社関係者訪船時など乗組員以外の乗船者への給食を担当することもあります。

調理・配膳だけでなく、食材の手配と調理場の清掃も担当します。

司厨部には以下の役職があります。

職位役職名職務
職長司厨長司厨部の責任者
部員司厨員司厨長の元で司厨部の業務にあたる

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